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「ねえねえ、琴葉。ねえ琴葉ってば聞いてるの?」
気がついたら目の前に親友の麻美がいてビックリした。とりあえず謝らなきゃ。
「ごめん、ぼーっとしてた」
「もう、人が折角話してるのに」
「ごめんって言ってるじゃない。昨日遅くまで勉強してたから眠くって」
「うげっ、よくもまあそんなに勉強出来るわね。アタシ絶対無理だわ」
自分が好きでやってるのにそんな言い方しなくたって……
これ以上突っ込まれたくないので話題を変えた。
「別にいいじゃない、それで話って何?」
「ああそうだった、あのね今日うちのクラスに転校生が来るんだって。しかも男」
へぇそうなんだ、知らなかった。でもどうして麻美はそんな事知ってるんだろ?
「そうなんだ」
と思った事をそのまま言ってみたのだが麻美の顔が急に怪訝なものになった。
「そうなんだってそれだけ?」
「それだけだけど」
「琴葉って昔からそういうの興味ないよね」
「そういうのって?」
「だから恋愛に興味ないよねって言ってるの」
いきなりの事だったのでビックリし過ぎて椅子から落ちそうになってしまった。
「なっ…べっ別に恋愛に興味ない訳じゃないもん」
「じゃあどうなの?」
麻美が凄く意地悪な顔をしてこっちを見ている、どうしようか考えていると丁度HRのチャイムが鳴った。
「あーあ、つまらないの。後で続き聞くからね」
麻美が席に戻ったのを見てほっとした、どうしても恋愛関連の話は苦手だった。
何故かその話を聞くと胸が苦しくなるから……
「早く座れ、HR始めるぞ」
担任の田中先生が教室に入ると皆を席に座らせて出席を取った。
「よし大体いるな、もう知ってる奴もいるだろうがうちのクラスに転校生が入る事になった。おい、入って来ていいぞ」
彼が入って来た瞬間、女子が息を飲んだのが分かった。その転校生は噂通り男子でその……とても格好良かった。
銀髪に白い肌、そして1番瞳が印象的で綺麗な青色だった。
でもどうしてだろう、何だか始めて会った気がしない。
それに胸がドキドキ高鳴っているのが分かる。
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