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「山田創汰です、宜しくお願いします」
「山田は今まで海外暮らしでまだ日本に慣れてないから何かあったら助けてやるように。それで向井、ちょっと」
「あっ、はい」
先生に呼ばれて教卓の前に来ると転校生、山田くんの前に立たされた。
「山田分からない事があったらこの向井に聞いてくれ」
「えっ、ちょっと待って下さい。何で私が」
「何でって、学級委員だろ? 宮野はまだ来てないし、頼むよ」
「あっ!」
忘れてた、今年は紘翔(ヒロト)と一緒に学級委員やってたんだった。
「そういう訳で山田、向井に何でも聞いていいからな」
「はい、始めからそのつもりでしたから」
えっ、始めからってどういう事?
「ん?まあいいか、それで山田は向井の隣の席だから案内してやってくれ」
「はい、じゃあ山田くん行こうか」
「うん」
それで山田くんに席を教えて自分も座った。
それで自己紹介をしていなかった事に気がついて自己紹介をする事にした。
「私向井琴葉、分からない事があったら何でも言ってね」
「俺は…山田創汰、ソウタでいいから」
「あっ、うん。けどいきなりは慣れないから山田くんって呼ぶね」
「うん…」
この時、山田くんが少し残念そうな…悲しそうな顔をした気がして気になったんだけどどうしても聞けないでそのまま昼休みになってしまった。
「やっと授業終わったよ、琴葉ご飯食べよ」
「うん、あっ待って紘翔早く」
「ちょっと待って、今行く」
「もう、紘翔早く!遅刻しといて更に遅れるとか何様のつもり?」
「お前こそ何様だよ」
「あっ、あれ山田くんだ。琴葉はいいな、あんな格好いい彼と隣の席で」
「確かに格好いいけど隣とか関係ないよ」
「そんな事ないよ、隣だったら色々話し掛けるチャンス多いじゃん」
「そうかもしれないけど、何話していいか分からないし」
「はぁ、琴葉は興味がないんじゃなくて度胸がないんだよね」
「何それ?」
「あっ山田くんこっち来るよ。ほら」
「えっ!!」
驚いて振り返るとそこには本当に山田くんがいた。
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