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――――翌日。
ジリリリリリッ!
目覚ましの音が部屋に響き渡る。私はうつらうつらと瞳を開けて起き上がった。
目の前には何にもない部屋が広がり、昨日の出来事を物語っているようだった。
「……はぁ~」
やっぱり夢じゃない、現実だったんだ。
昨日の疲れが舞い戻ってきたようで、私は深くため息をついた。
軽く伸びをしてから時計を見てみると、時計は午前6時を示していた。
私は一階に降りてトーストを焼いて、(ちょっと焦げたけど)食べた。
いつも通りに顔を洗って歯を磨き髪を整えてから制服を着る。
そして鏡の前に立った。
「……似合わない」
私は鏡の前にうつる自分を見てそう呟いた。
そう。似合わない(似合っているんだが本人の自覚がない)のだ。
私の前の学校は何度も言うようだが進学校だったため、制服に色という色が無い。全身真っ黒でスーツのような感じだったのだ。
それとは対照的に栄蘭学園の制服は色とりどりで華々しい。実に華々しい。
そのせいか黒を着慣れていた私には華々しすぎて、私自身が浮いているように見えてしまう。
「……ま、いっか」
制服に似合う似合わないは問題ではないと思いたい。
制服を用意してもらえたと考える分だけありがたいと思わねば。
私はスクールバッグを手にとって時計を見た。
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