いざ、栄蘭学園へ

2/18
17623人が本棚に入れています
本棚に追加
/375ページ
――――翌日。 ジリリリリリッ! 目覚ましの音が部屋に響き渡る。私はうつらうつらと瞳を開けて起き上がった。 目の前には何にもない部屋が広がり、昨日の出来事を物語っているようだった。 「……はぁ~」 やっぱり夢じゃない、現実だったんだ。 昨日の疲れが舞い戻ってきたようで、私は深くため息をついた。 軽く伸びをしてから時計を見てみると、時計は午前6時を示していた。 私は一階に降りてトーストを焼いて、(ちょっと焦げたけど)食べた。 いつも通りに顔を洗って歯を磨き髪を整えてから制服を着る。 そして鏡の前に立った。 「……似合わない」 私は鏡の前にうつる自分を見てそう呟いた。 そう。似合わない(似合っているんだが本人の自覚がない)のだ。 私の前の学校は何度も言うようだが進学校だったため、制服に色という色が無い。全身真っ黒でスーツのような感じだったのだ。 それとは対照的に栄蘭学園の制服は色とりどりで華々しい。実に華々しい。 そのせいか黒を着慣れていた私には華々しすぎて、私自身が浮いているように見えてしまう。 「……ま、いっか」 制服に似合う似合わないは問題ではないと思いたい。 制服を用意してもらえたと考える分だけありがたいと思わねば。 私はスクールバッグを手にとって時計を見た。 、
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!