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「ごめんなさい、ごめんなさい……っ!」
華恋は震えた声で謝り続けている。ヘタリと座り込み、手で頭を抑え、怯えながら。
なんなんだ?
こんな弱気な華恋は見たことがない。
こいつに一体何が――――
「ごめんなさい……!」
華恋は謝り続けている。
真央に……いや、『かな』と言う奴に。
「華恋ちゃん?」
真央がうずくまっている華恋に話し掛ける。華恋は真央の声を聞くとビクッと肩を震わせた。
「私は『かな』じゃないよ?」
真央はなるべく優しい声でそう言った。
そう聞くと華恋は落ち着いたのか体の震えがとまっていた。
「私はかなじゃない。真央だよ?」
華恋はゆっくりと顔をあげて真央を見る。
真央は華恋に無邪気な笑顔を向けた。
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