いきなりプリンセス

11/16
前へ
/375ページ
次へ
*華恋side* 伊吹さんがお風呂に入ってしまった。 いや、別にお風呂に入った事が悪いわけでは無いんだけど……。 でも伊吹さんの様子がおかしかった。ずっと私を見て笑っていたし……。 なんかおかしいというか不気味だったな。 いや会った時からこの人は変だとは薄々気付いていたのだが。 「なんであんなに笑ってたんだろう」 ニコニコ、ニヤニヤ。 本当に不気味だった。 「そういえば伊吹さん、私に会ったことがあるとか言ってたな……」 何処で会ったんだろう。本気で覚えがない。何処だろう……。 私が頭をひねって考えているとテーブルの上で私のケータイが鳴った。 手にとって見てみると元の学校の私の親友からのメール。 ――――― FROM・竜宮舞白 件名・無題 本題 どうした? 大丈夫? ――――― いきなり転校しちゃったからなぁ……。 彼女は竜宮舞白(タツミヤマシロ)。 私の唯一無二の親友。 格好よくてとても綺麗な頭の良い、無口でキッパリ物事をいう人だ。 何も連絡せずにこちらに来てしまったし、舞白は優しいから心配してメールをくれたのだろう。 どんなに忙しいからといって、連絡しなかったのは申し訳なかったなぁ。 私は罪悪感を覚えてすぐに舞白にメールを返そうとしたが、今日一回も話していないからどうせなら声が聞きたくなり、電話をすることにした。 「舞白、元気かなぁ」 1日会っていないだけなのにとても愛しく感じる。 特に今日はいろんな事があったし、一人不安な事も数多くあったから、頼りになる親友をとても恋しく感じるのかもしれない。 私は早く舞白の声が聞きたくて急いで舞白に電話をした。 トゥルルルル……トゥルルルル…… ガチャ。 、
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17633人が本棚に入れています
本棚に追加