いきなりプリンセス

14/16
前へ
/375ページ
次へ
「へっ?」 予想外の返答が来た為、凄く間抜けな声を出してしまった。 『当たり前だろう。親友が何の連絡も無しにいきなり転校してしまったんだぞ。 怒りが込み上げて来ないわけがないだろう。どんなに謝られたって納得なんていくものか。 少なくとも私はそこで許してやれるような優しさは持ち合わせていない』 う゛っ。 そうですよね……貴方はそういう人でしたよね……。 いや、悪いのは私ですが……。 「ホントごめんッ!」 『嫌だ』 「えぇっ!?」 キッパリ言われた。 即答された。 悲しい……悲しいよ舞白……。 「ど、どうすれば許してくれる?」 『うーん、そうだなぁ……。 …フォルテ(近場のお菓子屋)の抹茶黒みつアイス(138円)をおごってくれたら許してあげる』 「え……?」 それって…… 遠回しに会いたいって事? 『……嫌か?』 「ううん!嫌じゃないよ!」 嫌じゃないからその捨てられた子犬みたいな声出すのはやめてほしい……! 私、舞白のその声に弱いんだ……。しかも舞白の場合、私が弱いことを知っている上で出してくるから質が悪い。 可愛いすぎるから、舞白。 「いつにする?」 『私はいつでもいい』 「じゃあ明日は?丁度土曜日だし……」 『いいよ。明日の10時にフォルテで待ち合わせしよう』 「うん!じゃあ明日ね」 そう言って電話をきった。 明日が楽しみだなぁ……。 1日舞白と会わないだけでこんなにも寂しいと感じるんだ。 私はしみじみとそう思った。 、
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17634人が本棚に入れています
本棚に追加