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「誰からだ?」
「ぎゃっ!」
いきなり声をかけられたものだから凄い声を出してしまった。
うっわ、恥ずかしい。
「ぎゃって……ご挨拶だな。
女が叫ぶ言葉じゃないだろ」
「うるさい!驚いたの!いきなり声をかけないでよ!」
私は恥ずかしさを隠すように怒鳴った。
しかし伊吹さんは笑いもせず真顔で再び聞いてくる。
「で?」
「何が?」
「電話」
あぁ、電話の相手だっけ?
……どうしてそんな事聞くのだろう。
「なんでそんな事聞くの?」
「なんでって……」
そう呆れたように言うと伊吹さんは顔をしかめていかにも不機嫌そうな顔をした。
「物凄い楽しそうに電話してたから、気になった」
「…………」
な……なんか可愛い?
「…………プッ」
余りにも似合わない為、つい吹き出してしまった。
私が吹き出すと伊吹さんは余計不機嫌になってムスッとする。
「……なんだよ」
「いーえ、なんでも」
私がニコニコ笑いながら返すと、伊吹さんはまた不機嫌そうに顔をしかめた。
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