遊園地

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舞「私は何が したいんだろうな…。」 遼「え?」 舞「華恋に… 何をしてやりたいんだろう。」 空をぼんやりと 見つめながらつぶやく。 伊吹と手をつないで 人ごみに入っていく 華恋の姿が頭に よみがえってきた。 舞「華恋に、私は一体何が…。」 遼「華恋さんの望む事を、 してあげたらどうですか?」 舞「え…?」 驚いて坂下の方を見る。 坂下は私をにこにこ 笑顔のまま言っていた。 遼「貴方が考える 華恋さんに出来ること。 それをしてあげたら いいと思いますよ。」 舞「私が考える…。」 遼「答えなんてありませんよ。 それが華恋さんの為に なるのかも分からない。 だったら考えた事を 実行するだけで十分ですよ。」 舞「…。」 私は驚きでいっぱいだった。 ジッと坂下を目を 見開いて見ていると 坂下が「なんですか」と 聞いてきた。 私は言葉を変えずに 感じた驚きを率直に伝える。 舞「いや…まともな事も 言えるんだな、と思って…。」 遼「ものすごく 失礼ですよね、貴方。」 舞「元からだ。仕方がない。」 つい面白くてフフッと 軽く笑った。 私はチョコレートのついた フォークをお皿に置いて 坂下を見て素直に 一言だけ言った。 舞「でも…ありがとう。」 ありがとうなんて、 人に感謝したのは久しぶりだ。 その言葉を発することすら 久しぶり。 遼「…不気味ですね。 竜宮さんに感謝されるのは。」 舞「お前も同じくらい 失礼だな。」 遼「…元からですよ。」 こいつは私に似ている。 卑屈なところも、 根暗なところも。 だからここまで さらして喋れるのかもしれない。 全く…人嫌いなのか、 お節介なのか はっきりしてほしいものだ。 蒼い空を見て、 私はまた笑った。 ♦
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