エピローグ

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三人の間に 無言の時間だけが過ぎて行った。 ただひたすら、病室に眠る 舞白のもとへ向かうだけ。 寂しいんだか、悲しいんだか わからない状態。 遼「…伊吹と華恋さんは どうなさるんですか?」 そんな沈黙を破ったのは遼だった。 華恋は伊吹のほうに顔を向ける。 伊「…俺は留学して アメリカの大学に行く。 その前に婚約届を出して 華恋と入籍する。 結婚式は忙しくなるから 俺が日本に帰ってきてから する予定だ」 華「私は…大学進学しないで 伊吹について行きます」 華恋の言葉を聞いて、 伊吹は華恋を見ながら にっこりと微笑んだ。 遼「そうですか…。 離れ離れになってしまうんですね。 少し寂しいな…」 遼は音のトーンを少し落として 寂し気に言う。 そうこうしている内に、 舞白の病室についた。 舞白の病室は6階建ての病院の 6階にある一番日当りのいい個室。 少し離れたところにあるので 行き来は少し大変だけれども。 真っ白い扉。 スライドしやすい バリアフリーな空間。 ヒヤッと冷たい空気。 窓の外は、まだ雪が降っている。 扉横のプレートには 『竜宮 舞白』と 手書きで書かれている。 華恋達はその扉前で少しの間、 静止していた。 辺りには行き交う病人や 看護師さん、医師の人が 急かしく動いたり ゆっくりと歩いたり 時間が流れているが、 ここの時間だけは 止まっているような感じだった。 どれ位時間が経ったのか。 遼は左腕に バスケットと花瓶を支えて 右手でスライドドアの 取っ手を握りスーッと右側へ スライドさせた。 遼「舞白、伊吹と華恋さんが お見舞いに来てくれまし…た…?」 スライドさせて、 舞白の寝るベッドに 目を向けた遼が止まった。 目を見開き、 ぽかんと口を開けたまま ベッドのほうを見ている。 伊吹と華恋は状況把握ができず、 遼の背中から病室内へ目を向けた。 そこには─────── 、
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