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ピ――――ッ
っという目覚まし時計の音で目を覚ます……程甘くはなかった。
眠り続けた末に起きたきっかけはチャイムの音。
むにゃむにゃ言いながら俺は目覚まし時計に拳をぶち当て地に叩き落とす。
もう一度鳴る“ピーンポーン”という音。
ようやく頭が目覚め俺はそれがチャイムだと気付く。
落とした時計を拾い時間を見た時、ベッドから転がるように出ると階段を二段飛ばしで駆け降り玄関の鍵を開け扉を開いた。
「アンタまだ寝てたって言うんじゃないでしょうね」
ジメジメした目付きで理彩は俺を見たが悪いが今は支度が先決。
「悪い。先行っててもいいから」
バタンと入り口を閉めると家中を走り次々に支度を整えていく。
朝飯……??
何ですかそれ?
朝食は抜いて、他の支度を済ませ外に出ると理彩は焦ったように携帯のディスプレイで時間を確認している。
俺が出て来たのを確認すると彼女は
「急ぐわよ」
そう言って走り出した。
それだけ時間がマズいのか……。
朝にいきなり走って行くのは辛い。
「待てよ理彩。これで行けば早い」
俺は庭先に置いてある自転車を指差した。
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