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しかしそれは秘密の話。
小さい時から理彩を見てきた俺としては彼女が成長の過程を見ているわけで……
成長するにつれて時々女の子らしい行動をされるとドキッとしてしまったりする。
今でも幼なじみだっていう認識は変わってない。
だからその胸が高鳴る感覚に戸惑う俺がいる。
校門の前まで着いて新しい生活の場所となる優成(ユウセイ)高等学校の門を潜って中に入っていく。
外に貼られたクラスの記載されている大きな紙を見て多くの生徒が騒いでいる。
人が多いな……
生徒の壁に阻まれ紙が見えない。
「おう!」
どうしたものかと思案していると後ろから声がした。
よく聞き慣れた声だった為、自分に向けられた可能性を疑い振り向く。
「理彩ちゃんも英一も俺と同じ1‐Bだから行こうぜ!」
昔から仲がよく、中学の頃からはずっと同じクラスだった岡峰政史(オカミネ マサシ)。
偶然か必然かは知らないがこいつもここに来たというわけ。
政史は新しい教室の方角を指し示す。
「ありがとな」
俺は礼を言って理彩と俺に政史を加え三人で教室に向かう。
廊下に生徒はまばらだ。
まだ親交がない者がほとんどの為、廊下で会話する生徒など無きに等しい。
静かな廊下を歩き1‐Bへと入る。
待ち受けるのは新しい生活の仲間となる知らない顔触れ。
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