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「いきなりごめん。馴れ馴れしいと思うけどまず自己紹介するね。俺、三上翼。翼って呼んでくれればいいよ」
「……。よろしく」
と返すと三上翼と名乗った男子生徒はニッと笑い
「仲いいけど君達恋人とか?」
ぶしつけに聞いてくる翼はただ無邪気な笑顔を見せている。
純粋無垢な翼を見て俺は珍しく翼とはいきなりで驚きはしたが仲良くなれそうな気がした。
「な、なんでそうなるのよ……!ち、違うわよ………!!」
赤く染まった顔で狼狽え理彩は否定する。
少しからかってやるか。
「違うよ。今の所は幼なじみだよ」
我ながら爽やかに笑う。
「へ――――。そういう事か………」
悪戯っぽい目で理彩と俺を見比べる翼。
「い、今の所って何よぅ………違うわよ……!」
そしてごにょごにょと否定する理彩。
「君、面白いね。名前なんて言うの?」
「遠川理彩。よろしくね」
ころっと態度を変えて理彩は優等生の顔になる。
そういう顔を普段見てるから俺に見せる照れ隠しが楽しく感じるのだが。
理彩は冷静さを取り戻し翼に俺との関係を刷り込む。
「別に私はね……」
とか何とか言う理彩に翼は御丁寧にいちいち頷いている。
これからは毎日疲れそうだな……。
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