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時は流れ……昼休み。
入学式は寝ている間に終了を告げ、なんと初日からある授業は自己紹介やら少しかじった程度で潰れていった。
だから入学式終了と同時に政史が腹痛で早々と早退したという以外は大した出来事はなかった。
出来事に追加するならもう1つ。
「英君どうしたの?ぼけっとして」
理彩の友人が出現。
基本的に理彩は誰とでも仲良くはなるのだが今話しかけてきた真西幸那(マニシ ユキナ)とは一際仲良くなったようだ。
そして彼女は俺が真西さんと呼ぼうとした瞬間に「幸那でいいよ」と言葉を挟んだ。
いいのか……?と惑う俺を他所に彼女は
「じゃあ私は……英君って呼んじゃ駄目かな?」
と言って笑顔を見せた。
ちょっと待て!何だ英君って!?と思った俺は異議を唱えたのだが……
「駄目?」
輝くような笑顔のままの彼女に負けた。
「いいよそれで……」
そう言ってため息をつく羽目になる。
うんうんと嬉しそうに幸那は頷き、長めのツインテールが揺れた。
幸那の席は理彩の前。
俺が窓側の後ろから二番目で理彩が俺の右隣だから俺の席から右斜め一マス進んだ位置に幸那はいる。
悪い奴ではないようだがこのノリに付いていけるまでには少し時間が必要だ……。
俺は午後の授業の始まりを告げるチャイムと共に席に突っ伏して夢の世界に身を投じた。
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