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此処はコルトカン国にある唯一の荒野、シレネ荒野。
そこには3人の人間と低能な魔物の群れ。
否、通常では有り得ない程の大群。その数は5千を軽く超えている。
「何だこれは…」
「こんなに居るとは聞いて無い!!」
「ははっ。勝ち目がないな」
絶望する者、怒りを露にする者、諦める者。3人は口々に言葉を発し、目の当たりにした光景に只愕然とするだけ。
周りは魔物達に囲まれ、今にも襲いかかって来る――そんな時。
3人の前に、漆黒のローブを身に纏った者が突如現れた。深々とローブのフードを被っている為に顔はよく見えない。
だが、ローブの後ろには六つの華の模様――
「っ、と!…まったく。来たそばから襲いかかんないでよね」
ローブを纏った人物は迫り来る一匹の魔物を闇の中級魔法を咄嗟に展開して絶命させてから、幼さの残る声で呟き溜め息をついた。
声の高さから女だと言う事が分かる。
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