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「初めましてマスター、起動してくれて有り難う御座います。これから宜しくお願いしますね」
新品のソフトから起動されて目を覚ました私は、パソコンの中からとびっきりの笑顔でマスターに言った。
画面越しに映る私の初めてのマスター。
私の言葉に宜しく、と微笑む姿はとても優しそうで、私は良いマスターと巡り合えた様だと内心安堵する。
そうして私はすぐに今日から始まる生活を想像して、コッソリ期待に胸を弾ませた。
これからどんな生活になるだろう。
私はどんな歌を歌わせて貰えるだろう。
何より、私はマスターとどんな関係を築けるだろう。
沢山の期待と不安。
それを心に抱えて、私は画面越しにマスターを見つめる。
するとマスターは何やら考え事をしている様子。
私は声をかけようか迷って、意を決して声をかけた。
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