ドラゴンキラーあります

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 簡単にあらすじ  兵隊崩れのココは、戦時中の記憶から来る頭痛に悩まされながら、便利屋として暮らしていた。そんなある日、出会ったのは亡命中の皇女と護衛のドラゴンキラーのリリィだった。リリィは竜を素手で殺せる超人であるのに人を殺すのを怖がるほど使えない奴で、そんなリリィに巻き込まれたココの頭痛はより一層激しくなるのでした。  第三回『C★NOVELS大賞』特別賞受賞作品。  主人公は下品で言葉遣いの悪い奴だけど、最高に面白かった。  掛け値無しの超人であるドラゴンキラーという要素がこの物語にはかかせません。  会話主体の文章なんですが、その軽快なテンポは読み易く、描写の少なさを十分カバーしてくれます。  やっぱり物語としては男女の絡みがあった方が楽しいかと。  リリィとココの凹凸コンビの会話は最高に面白いです。  生真面目で直進タイプのリリィに対し、ココは自分のルールに忠実、かつ果てしなく口が悪い。  頭悪いと描写されてるけど、悪口に関しては一級品じゃないのか、こいつは。  ここで一部大人気ない会話をピックアップ。 「無能自慢か。情けない男め」 「知るかよ馬鹿」 「何が馬鹿だ。貴様こそ能無しではないか」 「屁垂れ」 「根性無し」 一瞬の沈黙。 「トカゲ女」 「ミドリムシ」 俺達はにらみ合い、その後、同時にため息をついた。  いいですね、この雰囲気(笑)。  シリアスな場面もいいんですが、こういういがみ合った馬鹿げた場面も自分は大好きです。  いつもいがみ合っている二人が、 「そういうものか」 「そういうもんだ」  などと意見がまとまったり。  リリィの強気な感じがあるくせに、たまに来る妙に可愛らしい言動も、ココのそれを見逃さず攻めるその言動も最高級かと。  総評  ☆五つ  あ、これは五段評価です。  シリーズ物で三巻完結なので全部見ることをおすすめします。  多分読んだ中で一番面白いかも。  自分の小説の元ネタとも言える小説です。
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