十二月24日曇り

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「病院内にって、何アンタ、ひょっとして今まで外に出たことないの?」 慧は聞いた。 「ハイ、生まれた頃から昨日まで入院生活でした」 少女は笑顔で答えた。 「ハア~そう言うこと。 じゃあ、アッチに行きな。ブティック・・・まあ服売ってる店があるからそこで適当にこさえな」 慧はブティックの方向を指さし、少女に教えた。 「ご親切にありがとうございます。 では早速行ってみます」 少女は慧にお辞儀し歩いて行った。 「しかし、今まで入院してたっつうのに、あの元気な様子・・・何か変だなオイ」 慧はまたタバコをくわえ直した。
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