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「…………」
僕は不安を振り払うように頭を振った。もう一度周りを見まわす。
砂利、草、線路、椅子。
……椅子?さっきまでそんなこの場所にそぐわないもの無かったはずだ。
急に現れたかのようなその古い造りの椅子に近づこうとしたとき、
「……!?」
少女が居た。椅子の上に座る少女が……
当然椅子同様に先ほどまで少女はいなかった筈だが…僕の頭はどうかしてしまったんだろうか?
その少女は真っ白いワンピースを着て、麦わら帽子をかぶっている。髪は肩にかかるかかからないかくらい。顔は……
「…………?」
顔はどれだけ目を凝らしてみても、帽子の影のせいか白いもやのせいか…良く見えなかった。
少しだけ、近づいてみる。
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