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†
「あ、あの。貴方は?」
アレンは目の前にいる黒いマントをつけている金髪の男性に聞いた。
「ふむ、貴様が我を呼び出したのか。
我の名はアセス。種族は吸血鬼となっておる。」
「えぇ!じゃ、じゃあ僕は血を吸われるんですか?」
アレンは血を吸われるのが怖いのか、若干後退りながら言う。
「通常の契約ならそうなのだが、貴様は獣人であろう。
我は人間の血しか吸わんと決めておるのでな、別の方法で契約しようと思う」
アセスの言葉にアレンは自分が獣人であることに初めて感謝した。
「では、契約を始めるとするか」
アセスは自分の指先を切り、地面に血を垂らした。
すると血が線となり、真紅の魔法陣を描きだした。
「さて、準備完了だ。
そういえば貴様…名を聞いていなかったな」
「ア、アレンです。」
「アレンか
アレン、その魔法陣の上に立て
後は我がする」
アレンは言われた通り、魔法陣の上に立った瞬間…
「…うっ!」
目眩がし、地面に倒れこんだ。
「大丈夫か?
アレンの血を魔力に変換し吸収させてもらったから契約完了だ
少し休むといい
我は用事があるのでな。」
そういいアセスは魔界へ帰って行き、アレンは意識を手放した。
†
「………………」
「………………」
ベルと茶髪の少年が無言で見つめあっている。
「………………けいやく」
「………………コク」
少年がポツリと言うとベルは微かに頷いた。
少年はゆっくりとベルに近づくと、手を握った。
「………………かんりょう」
少年は魔法陣が刻まれたベルの手を見ながら言う。
「………………ベル…オーリリア」
「………………バイリット…夢魔」
二人は自己紹介と呼べるかどうかも際どいものを終わらせ、バイリットは魔界へ、ベルはグランドへ戻って行った。
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