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エイミーが目を開けると、緑色の空間、そして目の前には白いフサフサの狼がいる。
「わ、わんちゃんですぅ。
フサフサですぅ!!」
犬好きのエイミーは、狼に抱き着いた。
「お、おい!お前!!」
「わんちゃんが喋ったですぅ!」
エイミーが狼の頭を撫でてると、狼が口を開く。
「お前、使い魔と契約しにきたんじゃないのか?」
「…………あ!」
「やっと気付いたか!
契約条件は…疲れたからいいや
俺の名前はフェンリル。銀狼だ。」
フェンリルはそういうと、エイミーの手を甘噛みする。
「痛ッ!」
手に鋭い痛みが走ったと思うと、魔法陣が刻まれていた。
「契約完了だ。
俺は魔界へ帰るが、喚びたい時はその魔法陣に魔力を込めればいい。じゃあな。」
「ほへぇ…。」
物事が急過ぎて唖然としているエイミーに「俺はわんちゃんじゃない。誇り高き銀狼だ、覚えておけ。」と言うと帰って行った。
†
「おぉ!俺様にお似合いな使い魔だぜ!!」
クロードの前には大きさ5m程の青い竜が欠伸をしている。
「お~い!!!契約しよ~ぜ~!!!」
竜に向かって大声で叫ぶ。
「うるさいなぁ…何?」
竜は顔をしかめながらクロードを見下ろす。
「だ~か~ら~!け・い・や・くしよ~ぜ!!!!」クロードは大声で叫ぶのをやめようとしない。
「け~い~や~く~!!け~い~や~く~!!け~い~や~く~!!!」
「だぁぁぁ!わかったから喋るな!チッ、なんでこんな奴と契約なんざしなきゃいけないんだ。ッたく
俺の名前はジオ。水竜だ。
一応契約はするが、用がない時に喚んだらぶっ殺す。」
「わ、わかりました。」
クロードはジオの迫力にやられ、主従逆転している。
「じゃあ、俺に触れろ。」
クロードは言われた通りジオの鱗に触れると、鋭い痛みと共に手に魔法陣が刻まれた。
「帰る」
ジオはそれだけ言うと魔界へ帰って行った。
クロードは、少しだけ泣いた。
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