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《30分後》
「……食え。」
セーファスが差し出したのは手作りのパンに魔物の肉そしてオニオンスープだった。
「わぁ~い!お腹ペコペコだったんですぅ。
いただきますですぅ!」
少女はそう言うとがっつき始めた。
セーファスはその様子をじっと見ている。
「ん?もむいへばおぶじままの『…ものを食べながら話すな…。』…ッンプ…ゴクッ…パーッ!
王子様の名前って何なんですか?」
少女が食べ物を飲み込み、首を傾げながら言う。
「……セーファス・クレイグだ。」
「へぇ、クレイグさんですかぁ…。
私の名前はエイミー・アルバータですぅ。
ところで、クレイグさんはなんでこんな森の中に住んでいるんですかぁ?」
「…さぁな。」
「じゃあ、学園とかは行ってないんですかぁ?」
エイミーは不思議そうに聞く。
「………ガクエン?」
セーファスも不思議そうに聞き返す。
………………
「えぇぇぇぇぇ!!
学園を知らないんですか?」
「…あぁ。ずっと森の中にいたからな。」
「だめですぅ!!学園は通わないといけないんですぅ!強制ですぅ!!!」(そ、そしてクレイグさんとの学園ウハウハ生活を!!///)
頭の中でよからぬ妄想をしているエイミーは、いきなりセーファスの手をとった。
「我望むは[ベネディクト魔法学園・学園長室]への移動。転移-テンイ-!!!」
「おまえ、やm……。」
セーファスが言い切る前にエイミーが咏唱を終え、転移魔法によってその場から消えた。
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