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お母さんはギャンブル狂・自称冒険家・駆け出しのミュージシャン…しまいには、いつかビッグになるしか言わない男なんかとも付き合っていたらしい。
おじいちゃんの話に出てくる男達は、みんながみんな見事に夢だけを語り、具体的な将来設計の無い男ばかりだった。
そんな中、お母さんがこの人の子供が出来たと、この人と結婚したいとおじいちゃんとおばあちゃんの元に新しい男を連れて来た。
話を聞くと自分の本が作りたくてアルバイトをしながら小説を書いたり写真を撮ったり国内・海外旅行に行ったり、これまた具体的に何の本が書きたいのか分からずに生きてきた男だ。
遂にこの時が来たかと、遂に過ちが起こり人の命まで作ってしまったかと肩を落していると、この男は今までの男と違い夢を諦め就職して来たと言う。
……それはお母さんが初めて現実的に金を稼げる男を連れてきた瞬間だったみたいで、おじいちゃんは目を懐かしそうに細め少しだけ口元を緩めた。
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