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カトルも続くよう、後をついて行く
「我々ロボットは、"忘れる"という定義は無い、無駄な記録をデリート(消去)するならあるがな」
非常階段まで近づき、下りる手前で立ち止まり、ふり返る
旅の行く先々で、色々なロボットに会ったりするが・・・、
カトルもそう、なぜ他の奴らは俺のつぶやき一つ一つに、こうもこだわるのだろう?
「ましてや、ロボットは使命・・・いや存在理由をもって製造されてきた筈」
教科書でも読んできた説明口調で、話し出す
本当にめんどくせぇ
「存在理由を他者の介入が無い限り、自身でデリートする事自体、不可能な話だ」
そんな事、昨日の"あれ"を見つけてしまった時点で、俺とアイツは、イヤという程思い知らされたよ
「あー、忘れてなかった!これで満足か?」
前髪をかき上げ、頭をかきながら、半ば投げやりな態度で返答し、階段を下りた
一段ずつ体に重さを預ける度、錆び付いたボルト部分から悲鳴を上げる
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