幻に導かれた再会
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「幸せにね、明里」 彼は私に背を向けて、踏み切りを渡りだす。 「貴樹くんも、幸せに」 私も夫の待つ坂へと歩き出す。 後悔はない。 あるとすれば、あの日。 私の転校が決まったあの日。 私に何故彼の傍に居続けるだけの力が無かったのか、という事だけ。 でもそれは過去の事だから。 だから私は歩き続ける。 私と彼の未来はもう交わらないのだから……
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