家族ごっこ

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家族ごっこ

絶対に 気を抜いては いけませんから   わたしには 表面上の家族がいて いつも家族ごっこをします   でも それを不幸とは思わず ただつらいなと想います 絶対に 気を抜いては いけませんから   気を許して 己の弱さを他人に 見せられることは幸せです   でも 気付いたら 壁を何枚も重ねています   誰からも わたしの隙間に 入ってこられないように   本当は こんな壁なんて 打ち砕いてほしいのです   全力で わたしを見付けてほしいです そんな青臭いことを願っています   きっと 誰ひとりとして 全力でなんか来てくれません   いつからか 諦めてしまうことが 当たり前になりました   それなのに 家族からわたしはゴミ以下だと 改めて思わされてショックでした   ゴミ以下は ゴミ以下らしく 生きていかなければ   また新しく 壁が一枚重なって わたしが遠ざかっていきます   家族ごっこに 何を期待したのか 今になってはわかりません   でも 本当のわたしは ちゃんと他人を信じたいのでしょう   みんなが 当たり前にしていることは 実はとても難しいことなのですよ   ねえ そこのあなたは これを知っていましたか?
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