107人が本棚に入れています
本棚に追加
こころの月
こころと
身体の中を
ぐるぐる回りつづける
一瞬で
抱いてしまった
歪みが気に喰わない
わたしの器は
比べものにならないくらい
小さくて溢れやすい容量だけ
だから
いつも他人との距離を
上手く測ることができない
いつも零れ出して
目の前に大きな川ができて
向こう岸には渡る術がない
そんな時は
ずっと立ち尽くして
絶望を感じつつ相手を見る
待てども待てども
何の変化もないから
みんなどこかへ消えていく
去るなら
近づかずかないで
放っておいて欲しかった
相手が想うより
ずっとわたしの想いは
両手では持ち切れないほど
でも
それを知らないまま
誰もかも遠ざかっていく
だから
わたしの中にある月は
いつまでも暗い新月のまま
きっと
満月の光に満ちずに
この一生を終えるだろう
淋しいけれど
わたしには丁度よくて
それくらい当たり前なのかな
太陽の光を
浴びることなく
暗闇を握り締めつづける
中途半端なんて
一番欲しくないもので
何よりもずっと大嫌いだ
貴方は満月?
わたしは新月だから
また遠ざかってしまうね
わかるのなら
近寄らないほうがいいし
そうしたら互いに何も残らない
動けないわたしを
どうぞ構わないから
こころから嫌ってしまって
そして
本当にひとりになった
わたしを放置しつづけて
最初のコメントを投稿しよう!