こころの月

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こころの月

こころと 身体の中を ぐるぐる回りつづける   一瞬で 抱いてしまった 歪みが気に喰わない   わたしの器は 比べものにならないくらい 小さくて溢れやすい容量だけ   だから いつも他人との距離を 上手く測ることができない   いつも零れ出して 目の前に大きな川ができて 向こう岸には渡る術がない   そんな時は ずっと立ち尽くして 絶望を感じつつ相手を見る   待てども待てども 何の変化もないから みんなどこかへ消えていく   去るなら 近づかずかないで 放っておいて欲しかった   相手が想うより ずっとわたしの想いは 両手では持ち切れないほど   でも それを知らないまま 誰もかも遠ざかっていく   だから わたしの中にある月は いつまでも暗い新月のまま   きっと 満月の光に満ちずに この一生を終えるだろう   淋しいけれど わたしには丁度よくて それくらい当たり前なのかな   太陽の光を 浴びることなく 暗闇を握り締めつづける   中途半端なんて 一番欲しくないもので 何よりもずっと大嫌いだ   貴方は満月? わたしは新月だから また遠ざかってしまうね   わかるのなら 近寄らないほうがいいし そうしたら互いに何も残らない   動けないわたしを どうぞ構わないから こころから嫌ってしまって   そして 本当にひとりになった わたしを放置しつづけて
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