代償

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代償

こころと 身体が合わさり 哀しみは終わらず 泣いても 泣いても 涙は止まらず さて ぐったりする毎日は いつか必ず果てるだろうか わたしは わたしでしかなく 決して他の誰にもなれず 単調な毎日という 気が遠くなる程の長い河を ぷかぷかと浮かび流れていく 「お前次第」という たったひとことが 心身の輪郭を薄くする そうして 周りの景色や空気の流れ 君の笑顔も薄くなっていく 気付いているか わたしの返す笑顔は 作られているものだと そして 本当は心身の距離が とてつもなく離れていることを 他人が怖いから 嫌いが怖いから まだまだ遠ざかっていく そうすれば あなたも傷付かず わたしも傷付かない どんどん 離れていくけれど それは代償なのだから
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