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俺は茜色の眩しさに起こされて、目をゆっくりと開いた。
この公園に来たのは、確か昼頃だったはずなのに……。
いつの間に寝ていたのか、脳が理解している限りで説明すると、今は夕方で、俺は木造のベンチに横になっている状態だ。
学校?
んなもん、機嫌が悪くて自主早退させてもらったよ。
体を起こしてベンチに座り直すと、目の前の砂場に子供が二人。
特別気になったわけじゃねーけど、他に子供も大人も見当たらなくて、つい目がいってしまった。
まあ、目の前だったし。
つか、保護者はどうした。一緒にいなくていいのか?
そんな事をテキトーな気持ちで考えていると、子供達の声が聞こえてきた。
「ゆい、かえろ?」
「……かえらない」
「おじさんもおばさんもたつにいもしんぱい? してるよ?」
「しろ、しんぱいのいみしってる?」
俺は何の気なしにそれを耳にして、頭の中で勝手に処理をする。
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