第1章:出会い

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遠くで大きな雷鳴が響いた。 それを合図に、大広間に少年が連れて来られる。そこには館中の『魔族』が集まっていた。 その視線は少年に向けられ、密やかなささやきが交わされる。 この夜、館の主人ジークに、新たな眷属を迎えるためのパーティーが開かれたのだ。 そして、ジークの眷属となるのはちっぽけな人間。それも壊れて何一つ自分でできないのだ。 これまで主人たるジークに無条件に従ってきた魔族たちも、どこか不安を隠せないでいた。 ざわめきの渦中にいるジークと少年は、それに何の注意も払わない。 パーティーは異様な雰囲気の中で始まった。
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