第1章:出会い

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眷属を迎える儀式自体は簡単なものだった。 ジークの一族に代々伝わる、一族と眷属の名簿に新たに少年の名前を書き加えるだけ。 …けれど、少年の名前はすでに失われていた。 少年の名は、新たに主人であるジークが付た。 『レン』と。 少年に付けられた名前を聞いて、年配の召使いの何名かが顔をしかめた。 ジークはそれを知っていながら、皮肉な笑みを浮かべ無視した。 「おめでとうございます、ジーク様、レン様」 儀式の終了と共に、今夜の主役のもとに魔族が殺到した。 次々に祝いの言葉をかけつつ、『レン』に観察するような視線を向ける。 名前を付けられた生き人形は、ピクリとも動かなかった。 それを嘲笑うもの、不快そうに眉をしかめるもの。ジークを心配そうに見つめるもの。 魔族たちの反応はジークを楽しませた。
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