第1章:出会い

2/12
4652人が本棚に入れています
本棚に追加
/206ページ
「うーん…?」 少年が目覚めると、そこは見覚えの全くない、豪華な部屋だった。 一瞬ここが俗にいう天国か?と疑ったけれど、窓の外を見てすぐにその考えを否定する。 …まぁ、死者が豪華な部屋で寝かされている天国なんて、聞いたことなかったのだけれど。 窓の外は真っ暗で、稲光が時折発生している。激しい嵐のようで、窓に絶え間なく雨が叩き付けられていた。 カタン…。 少年が窓の外に気を取られていると、背後から物音がした。 慌てて振り向くとそこには、男が1人立っていた。 「あなたは誰?」 見たことのない顔。でも、一度見たら忘れない。 黒く艶やかな長い髪、それよりも尚黒く冷ややかでゾッとする程美しい瞳。 目が離せない。 「ジークだ。お前の名は思い出せるか?」 「名前…?」
/206ページ

最初のコメントを投稿しよう!