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「うーん…?」
少年が目覚めると、そこは見覚えの全くない、豪華な部屋だった。
一瞬ここが俗にいう天国か?と疑ったけれど、窓の外を見てすぐにその考えを否定する。
…まぁ、死者が豪華な部屋で寝かされている天国なんて、聞いたことなかったのだけれど。
窓の外は真っ暗で、稲光が時折発生している。激しい嵐のようで、窓に絶え間なく雨が叩き付けられていた。
カタン…。
少年が窓の外に気を取られていると、背後から物音がした。
慌てて振り向くとそこには、男が1人立っていた。
「あなたは誰?」
見たことのない顔。でも、一度見たら忘れない。
黒く艶やかな長い髪、それよりも尚黒く冷ややかでゾッとする程美しい瞳。
目が離せない。
「ジークだ。お前の名は思い出せるか?」
「名前…?」
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