ＴＥＮーＫＡＩ ━陽━

第一話 ━ 変 ━

　口は災いのもととは良く言ったものだというのを実感してしまう。

寝る方が悪い！人のせいにするな！大体アンタは！から始まるお説教、あーだこーだとガミガミと怒られてしまう。

　この子は伊澤 真紀、入学当初からあいうえお順で後ろの席に座った真紀に私が話しかけたのが切っ掛けで仲良くなれた大切な友達、私は親友だと思ってる。

しかもなんと高一から高三までクラスがずっと同じだ。実はラノベも彼女のオススメだったりする。

「それに、私より先に先生があなたの居眠り見つけたんだもん、どうしようもないじゃない」

　古典の教材を机にしまいながら真紀が言う、そう言われてしまうと何も言えないわ。

私も教科書をしまう、早く次の授業の準備をしてしまおう。大丈夫、もう眠くない。

まだジンジンと痛む頭をさする、眠気は吹っ飛んじゃった。和気藹々とした教室を一眺めして次の授業にのぞんだ。