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私は目を逸らすことができなかった。
マスターの思いが痛いくらいに伝わる。
「では、実桜さん。お元気で。またいつかお会いできる日を楽しみにしています」
私はマスターの車から降りる。
「マスター。ありがとうございます。お気持ち嬉しかったです」
マスターはニコッと笑って、窓を閉めると、車を発車させた。
マスターの言葉が頭の中をぐるぐる回る。
私はマスターの車が見えなくなるまで、雨にうたれながらその場に立ち尽くしていた。
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