🍀百日紅🍀

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「噂、ですか?」   私は体を更衣室の出口へ向けたまま、顔だけを御幸さんへ向けて訊ねた。 「志賀くんのこと、なんだけど・・・・・・」   私は手に持っていたペットボトルにわずかに力を込めた。 ようやく御幸さんの意図するところを察した。 “志賀くん”とは、私の心を急き立てていた他ならぬ恋人の名、だった。 「志賀くん、平塚店へ異動になって・・・・・・その・・・・・・」 「もしかして、また異動になるんですか?次はどこですか?」   言葉をじらす御幸さんに私は被せて訊ねた。
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