27人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「噂、ですか?」
私は体を更衣室の出口へ向けたまま、顔だけを御幸さんへ向けて訊ねた。
「志賀くんのこと、なんだけど・・・・・・」
私は手に持っていたペットボトルにわずかに力を込めた。
ようやく御幸さんの意図するところを察した。
“志賀くん”とは、私の心を急き立てていた他ならぬ恋人の名、だった。
「志賀くん、平塚店へ異動になって・・・・・・その・・・・・・」
「もしかして、また異動になるんですか?次はどこですか?」
言葉をじらす御幸さんに私は被せて訊ねた。
最初のコメントを投稿しよう!