🍀百日紅🍀

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「違うの、そうじゃなくて」   躊躇ったのは私の方だった。 御幸さんは恋人の何を伝えようとして、言葉を噛んでいるのだろう。 「志賀くん、平塚店の関谷さんと随分、その・・・・・・親しいらしいのよ」   何を言われているのかはすぐに分かった。 今度は私の方が御幸さんの視線から逃げた。 つまりこれは、忠告。 違う、告げ口だ。 「・・・・・・関谷さんって、社員の・・・結婚されてますよね?」 「えぇ、でも、平塚店ではもう公認の仲らしいわよ」   噂なんかじゃない。 御幸さんの言葉に曖昧さなどどこにもなかった。
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