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「!
アカネ…」
…今、目の前に広がっているこの光景は…何?
ユズルくんと、…その腕に抱きついている、知らない女の人…。
「おい、アカネ…っ!」
「…へぇ、何だ。
『君も』、違う男とヨロシクやってたワケだね」
「、何で…?」
「…あぁ…そういえば、『生徒会』って言ったんだっけ。
あれね、ウソだよ。
僕が生徒会に入ってること自体」
「ふふ、何それぇ?
そんな『言い訳』してたのぉ?」
クスクスと、いやに耳につく…女の笑い声。
ユズルの腕に強くしがみつくその姿を目にしながらも、
…アカネの思考回路は、半ば停止していた。
「ごめんね、アカネチャン。
僕、元から君のことなんてどうとも思ってなかったんだ。
ヤラせてくれる女を探してただけなのに、君は頑なにヤラせてくれないし…」
…え?
その言葉にいち早く反応したのは、ツカサだった。
…なら、さっきのは…?
「なのに、君は本気にしちゃって…『恋』だの『愛』だの、寒いんだよね。
…この指輪だってさぁ…」
地面に落ちている指輪を、ユズルは見下すや否や…
強く、踏みにじる。
「っ!」
「違う女の子にあげようとしてたモノなんだ。
ゴメンね?」
言葉とは裏腹に、ギリギリと踏み付けられている指輪。
ソレに意識を取り戻したのか、…アカネは、ユズルの足にしがみついて。
「っ、やめて!!」
「!
…『やめて』はこっちの台詞だよ。
俺の足を離せ!」
「…いやっ!」
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