01・浅倉 アカネの場合

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「うん、へーきへーきっ! …あのね…」 昨日あったこと…あたしは、二人に包み隠さず全部話した。 …こんな風に明るく話せたのは、きっと…ツカサのお陰。 あの後、降りしきる雨の中…何時間も何時間も、傍にいてくれたツカサ。 …ツカサは、昔からそうだった。 あたしが何かイタズラして、お母さんに怒られて…庭で泣いていたとき。 隣の家に住んでいるツカサは、窓から『バーカ』って言ったあと…わざわざ家から出て来て、あたしの傍にいてくれた。 『…ツカサは、昔から変わんないなぁ…』 あたしは、きっとツカサのそういうトコを…、 『…え?』 そういうトコを、…『何』? プルル、プルル… 「ひゃっ! び、ビックリしたぁ…」 「あら、ツカサの携帯みたいね。 本人は?」 「ツカサくんなら、職員室に呼ばれていましたです」 「そう。 じゃあ、あたしが出ちゃいましょ」 「「えぇっ?!」」 真顔で、今にも通話ボタンを押してしまいそうなユイを引き止めるべく、アカネとカレンは、その腕にしがみついて。 「ちょっ…何よ! しょうがないじゃない、まだ電話鳴ってるんだもの。 ツカサはここにいないって教えてあげなきゃカワイソウじゃな、…い……?」 「? ユイ?」 不意、途切れた言葉。 何事かと確かめるべく、視線を上へ移動させると…。 「ねぇ、アカネ。 この子知り合い?」 「え? 誰? なんて名前?」 「『中村サヤカ』って子」
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