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「ちょっ…ツカサ!
ソレ、あたしのメロンパン!」
「へへーん、悔しかったら取ってみろよ。
バカネ」
「バカネじゃないっ!
あたしはアカネ!」
とある日、朝礼前の出来事。
2年B組の教室で、ソレは起きていた。
「相変わらずねぇ…あの二人。
もはや、日常茶飯事の出来事に達してるわ」
「そうですねぇ…。
あの二人のケンカを聞くと、『あぁ、今日も一日が始まるなぁ』…って思います」
ユイの席に向かい合うように、カレンが腰掛けて。
目の前に繰り広げられる『いつもの出来事』を、楽しげに見つめている。
「あっ!
あたしのメロンパン食べたぁーッ!」
「早いもの勝ちだっつーの、バカネ」
「だから、『アカネ』だってばーっ!!」
「…アレよね。
『好きな子ほどイジメたい』」
「ですねぇ。
でも、ツカサくんはずっとあんな様子らしいですから…うまくいかないんでしょうねぇ」
「まったくよね。
ツカサは徹底的に不器用だし、アカネはアカネで……」
プルルル、プルルル、…
「あっ!♪」
「!!」
不意、教室に響く、携帯の着信音。
それを聞くや否や、アカネはこれ以上はないというほどの満面の笑みを浮かべると…
先ほどまで戯れあっていたツカサの存在など忘れたと言わんばかり、一目散に携帯の元へ走る。
「ユズルくん!」
「…あらら、ついに来ちゃったわね。
『彼から』、連絡」
「ツカサくん、顔恐いことになってますですぅ…」
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