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だから…
『あのっ!』
『え?』
魔がさしたのかもしれない…。
『あたしと付き合ってください!』
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でも、ユズルくんは…バカにするワケでもなく、笑うワケでもなく…
にっこりと笑いながら、『よろしくね』…って言ってくれた。
ユイやカレンには、猛反対されたっけ。
『絶対遊ばれるわよ』、とか、
『やめたほうがいいですよぅ…泣くのはアカネちゃんなのですよ?』、とか。
そんな忠告なんて忘れちゃうくらい、ユズルくんは優しかったんだもん。
毎日メールや電話をくれたり、たまには放課後デートもしてくれて。
あたしは、すっごくすっごく幸せだもん。
『…そういえば…』
ユズルくんと付き合うことになったって、ツカサに言ったときも…
『ツカサってば、黙りこんじゃって…』
…どうしたんだろ。
「ツカサだって、彼女いたことあるんだしさ。
…まぁ、いいけどっ」
…何でだろ。
今、胸の奥がモヤモヤしたような…。
「…気のせいだよね、うんっ!」
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ずーーーん…
「…あらあら。
何?
このよどんだ空気」
「ユイちゃん、ユイちゃん。
今はそっとしておいたほうがいいですよぅ…」
「?
どうして?」
さっきまで『うきうきルンルン』だったアカネを見て、呆れていただけあってか。
キノコでも生えていそうなジメジメ具合で俯いている今のアカネに、ユイは疑問を抱く。
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