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隆は、文学新人賞の最終候補のことも忘れ、保留ランプを見詰めていた。
まず、一個目……駄目だった。
二個目駄目であった。
『クソッ‼』
周りの人間は、ホッとしている。
そろそろ、ハイエナたちが、隆の台をマークし始める。
通称、ハイエナたちは、自分の金を使わず。
たんまりと、金の継ぎ込まれた台をじっくりと、店内にたたずんで、狙いを付けた台のとなりに2百円ほどの玉を購入して、隣の台に玉を置く。
しかも、一発も打たず。ひたすらターゲットの客の金が尽きて、台から去るのを待つのだ。
隆の左隣に、ハイエナが座った。
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