1 日常

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  「笑い事じゃないんだからな、足を踏み出してそこに何もなかった時のことを想像してみろ!」 一生懸命あの時の恐怖を大輝に伝える。まだ心臓がドキドキ言っている。それを笑い事で済まされてたまるか! 「なんでそこまで真剣に……あはははは」 「大輝!」 駅を出ながら僕は大輝に怒鳴った。 「新也ってさ、勉強はできてもそういうところ、天然だよね」 「むっ」 天然。その言葉はあまり好きではなかった。大輝のみならず、いろんな人にそう言われるからだ。 自分ではそうは思っていないので、内心憤慨だった。 「……別にいい」 勉強教えてやらないからな。と言うと、大樹が慌てて笑うのを止めた。 「あっ……ごめん!さっきのは冗談だから!ちょっとした冗談で」
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