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ずっしりと肩にのしかかるバッグの重みは、座席の下から湧き上がる暖房のせいで緩んだ体に容赦なくのしかかる。
思わずよろけてしまった。
「わ……っと。大丈夫か?」
大輝が僕を支えてくれた。危うく電車とホームの間に落ちる所だった。
「あ……悪いな」
その恐怖ではっきりと目が覚めた。大輝がいなかったら今頃……。
「眠そうだな。今日はやめておくか?」
大輝が改札口を通り抜けながらそう言った。僕たちはいつも放課後にどちらかの家に行って、勉強会を開いている。
今日は大輝の家に行く番だった。週末ならそのまま家に泊まることもあった。
「いや、もう大丈夫だ。さっきので目が覚めたから」
「そうか」
あの時の恐怖を思い出して顔をしかめると、大輝が笑った。
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