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『─…お兄ちゃんっ。やだっお父さん達に聞かれちゃうっ!』
『そんなこと言ってるわりには、ここはもうこんなになってるぜ?』
『─…あンっ!駄目っ…!お兄ちゃ………』
昼下がりの部屋に鳴り響く、耳を塞ぎたくなるような甘い声。
……ブチ。
「な、なっ…//なんなんですか…っコレはっ///!?」
リモコンでTVの電源を切り、目の前にいる相手に向かって抗議するあたし。
相沢円華(アイザワ マドカ)。高校2年。
「何って、AVだよ。見れば分かるじゃん?」
あっけらかんと答えた人物の名前は、望月優子(モチヅキ ユウコ)。同じく高校2年(留年)。
「え、AVって………見れば分かるじゃん…って………。」
「佑介が隠し持ってたから、参考になるかもって思ってもってきたんだけどっ。……兄妹の恋愛ってやつのさー。」
プルプルと肩を震わすあたしに、優子さんが言う。
「ぜんっぜん参考になりませんっ!!」
プレーヤーからDVDを抜き取り、それを優子さんの手に無理矢理持たせて部屋の外へと追い出した。
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