キスと距離

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  「お前が居ると、余計な虫が寄ってこない」 「……私は虫よけスプレーか」 卒業まで。 そう決めて始めた事だし、な。そもそも。 「ま、卒業まで付き合えよ」 「……まぁ、私は別に構わないんだけど。平和だし。でも、もし好きな人出来た時はちゃんと言ってよ?」 「安心しろ。その可能性はまず無ぇから」 言えば、微妙な顔が見上げてくる。 「勿体ないなぁ。緒方、こんなに優しいのに」 「だから、んな事言うの、お前くらいだ、……」 あぁ、そうだな。 卒業まで、どうせ一緒に居るんだったら、 「それに、俺を惚れさせてくれてもいい。って、前に言っただろ?」 「あのねぇ、」 「俺がお前に惚れるか、お前が俺に惚れるか。その方が健全だろ?付き合ってるんだったら」 レンアイとやらを楽しむのもいいのかもしれない。 どうせ、長くなんて続くモンじゃないんだから。 俺らのエイエンなんざ、せいぜい持って2年かそこらだ。 「どこに突っ込みいれればいいのか解んないんだけど」 「まぁ、勝負みたいなもんだ。せっかくなら面白い方がいいだろ?お互い」 「……私達、何の話してるんだっけ???」 「さぁな?」 それに、俺とコイツは長くても「卒業」までだから。   [次へ]
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