12人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
マリッジブルーだなんて羨ましい悩み――じゃなくて面倒な悩みを抱えながらコーヒーを飲んでいるのが、私の一番の友であり一番の敵である荒垣美沙(あらがきみさ)だ。
美沙とは中学からの付き合いなのだが、いっつも私より有利な立場に立っている訳で、その度に私が妬んでいたのは言うまでもない。
そりゃ私と違って昔から大人びた雰囲気を持ってた子だったけど、去年までクリスマスやらバレンタインやらのイベントの時は私と一緒にお酒飲んで騒いでたんすよ。
それなのに婚約者が出来た今じゃ、しっかりメイクを施してて、酒を飲んで馬鹿騒ぎする事も無くなった。
なんて言うか、人生において余裕を持った人間って感じ。
恋は女を変えるって言うけど、ホントにそうだね。
今日だって美沙が相談したい事があるって言うから、わざわざこうして喫茶店まで赴いたってのに、聞かされる話は彼氏とのノロケ話ばっかり。
途中何度も殴りそうになったが、そこは大人な私、妄想の中だけで美沙をボコボコにしてあげた。
最初のコメントを投稿しよう!