新学期

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とりあえず、苦労してるなぁ…と、そう思った。 次の日にクリーム入りのプリンを買ってきてやったら、とても喜んでいた。 とにかく俺にはもったいない、とてもできている妹だ。それだけは言っておこう。 「さて、そろそろ学校にいきますか」 「はい、いきましょうか」 実は、その高校は結構近いところにあったりする。受かったらいいな程度の気持ちだったのに、まさかホントにいくことになるとは。 靴を履き終え、玄関をでる。 家を出て左に曲がり、緩やかで長い坂をのぼる。 ちなみに、中学のときの親友も一緒に受かってしまってるわけだが… 「おーい、さとしぃ!こっちだこっちぃー!」 坂の上のほうで、人が手を振りながらなにやら叫んでいる。逆光でよく見えないが、声で誰だかわかる。 こいつがその親友、中村康輔(ナカムラ コウスケ)…面倒くさいから紹介はしない。 「そんな叫ばなくても」 「いや、緊張しちまって」 緊張すると叫ぶのかこいつは。
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