落ちる男

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    今日は彼と、彼の実家に2人でご挨拶に行く日だった。 大学時代に何度か行ったことがあるとは言え、当時はただの友達。お邪魔する時に、軽く挨拶した程度で…きちんとご挨拶するのは、今日が初めてだった。   人生には絶対に、絶対に遅刻してはならない日があると思う。 私にとってはこの日がそうだった。   思いがけず早起きすることに成功した私は、ほっと胸を撫で下ろしつつ暖かい布団を後にした。     この時の私は──遠足当日の小学生か?──なんて悠長に考えてた。 でも、もしかしたら。  アラームで起きてたら、寝坊してたら、私は死ななくてすんだのかもしれない。   もし…なんて無いことはわかってるけどさ。  
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