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華蓮と真紀のGT-FOURの前をR32がかなりのハイペースで駆け降りていく。
「まだ始まる前なのに、飛ばすねー。」
真紀の言葉に、R32を視界から消さない程度のペースを保ちつつ華蓮が応える。
「そうですね。
初めからテンションが上がってるか、もしくはこちらを牽制するためか、ですね。」
「ほう、深い所まで読むねー。」
真紀が華蓮の言葉に感心してそう言う。
「実は、私、大学で心理学を学んでるので、ついついそういう風に考えてしまうんです。」
華蓮がちょっと照れたように言う。
「へぇ。頭、良いんだね。」
真紀が更に感心したように言って、その言葉で更に華蓮が照れる。
GT-FOURの車内で二人がそんなやり取りをしてるとスタート地点にたどり着いた。
R32が豪快なスピンターンでクルマの鼻先を180度逆に変える。
「あっ、もう少し先に引っ込んだバス停があるから、そこでUターンすればいいよ。」
真紀の言葉に従って華蓮がバス停のスペースを使ってUターンし、R32の横にGT-FOURを並べる。
「じゃあ、頑張って。」
真紀が降りがてら華蓮にそう言葉をかける。
GT-FOURから降りた真紀がガードレールの向こうの安全なスペースに歩いていく。
「さぁ、両方とも準備はいいかぁー?」
スターターの言葉に両者エンジンを高鳴らせて応える。
「じゃあ、カウント行くぞ!!
5、4、3、2、1、Go!!」
スターターの手が降り下ろされると同時にGT-FOURとR32が解き放たれた猟犬のように猛然とスタートを切る。
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