6th Attack Pinch Runner

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華蓮と真紀のGT-FOURの前をR32がかなりのハイペースで駆け降りていく。 「まだ始まる前なのに、飛ばすねー。」 真紀の言葉に、R32を視界から消さない程度のペースを保ちつつ華蓮が応える。 「そうですね。 初めからテンションが上がってるか、もしくはこちらを牽制するためか、ですね。」 「ほう、深い所まで読むねー。」 真紀が華蓮の言葉に感心してそう言う。 「実は、私、大学で心理学を学んでるので、ついついそういう風に考えてしまうんです。」 華蓮がちょっと照れたように言う。 「へぇ。頭、良いんだね。」 真紀が更に感心したように言って、その言葉で更に華蓮が照れる。 GT-FOURの車内で二人がそんなやり取りをしてるとスタート地点にたどり着いた。 R32が豪快なスピンターンでクルマの鼻先を180度逆に変える。 「あっ、もう少し先に引っ込んだバス停があるから、そこでUターンすればいいよ。」 真紀の言葉に従って華蓮がバス停のスペースを使ってUターンし、R32の横にGT-FOURを並べる。 「じゃあ、頑張って。」 真紀が降りがてら華蓮にそう言葉をかける。 GT-FOURから降りた真紀がガードレールの向こうの安全なスペースに歩いていく。 「さぁ、両方とも準備はいいかぁー?」 スターターの言葉に両者エンジンを高鳴らせて応える。 「じゃあ、カウント行くぞ!! 5、4、3、2、1、Go!!」 スターターの手が降り下ろされると同時にGT-FOURとR32が解き放たれた猟犬のように猛然とスタートを切る。
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