Driving Precious

6th Attack Pinch Runner

スタートダッシュは、排気量に勝るR32が先行すると思わせた。
(よし、スタートダッシュはもらったわね。
………えっ!?)
しかし、R32の右には四駆のトラクションを活かしたGT-FOURが並んでいた。
実は、R32に搭載されているRB25DETは、R33からスワップされた物だが、このエンジンのノーマルのスペック値は250ps/30kgというものだ。
しかし、GT-FOURの3S-GETは、255ps/35kgと、RB25DETにわずかにだが勝っている。
そもそも、この世代のRB25DETエンジンは、「リニアチャージ」というキャッチフレーズを掲げ、大排気量NAエンジンのような穏やかなフィーリングを狙った物だった。
もちろん、R32もチューニングが施されているが、ワインディングロードでの扱いやすさを重視して、大幅な出力アップはしていない。それに加えて、直列6気筒エンジンの重量、二輪駆動のトラクションがハンデとなる。
特に、こういうゼロ加速ではそれが顕著に出てしまう。
(くぅ、たかが２リッターのターボと甘く見たか。
だが、こんな所で引く訳にはいかないのよ!!)
二台の目の前に左コーナーが迫る。