Driving Precious

6th Attack Pinch Runner

いくつかコーナーをこなしたいわば中間地点。
(とりあえず、流れはこちらに引き寄せられたわね。)
先行するR32の車内で女が呟く。
(軽量コンパクトなボディにハイパワーなエンジン。
そして、FRという駆動方式。
それがS54からのスカイラインの勝利の方程式よ!!)
どうやら、このドライバ－、4WDのGT-Rでなく、FRのGT-Stにかなりのこだわりを持っているらしい。
(さて、そろそろあの忌々しい丸目も離れたかしらね？
!?
えっ！？)
ミラーを覗き込んだ女の顔が一気に凍りつく。
なぜならミラーにはっきりとST205が映り込んでいたからだ。
「かつて、セリカはこんなCMを流していましたわ。
『名ばかりのGTは道をあける』と。
まぁ、お父様からの受け売りですけどね。」
ST205を操り、R32の丸目四灯テールライトにしっかり狙いを付けた華憐が言い放つ。
ちなみに、このCMコピーは、二代目セリカから当時排ガス規制で牙を抜かれたと言われていたスカイラインジャパンへ叩き付けられた挑戦状と言う説がかなり濃厚である。
そして華蓮は改めて前を走るR32に挑戦状を叩きつける。